2008年05月31日

震度0

阪神大震災と同じ時期にN県警の警務課長「不破」が謎の失踪をします。

キャリアとノンキャリアの確執、それぞれの野心を中心にドロドロした世界が描かれています。

死者が、それまでに組織に対してどれだけ貢献していたかは全くの考慮外で、自分の出世に影響する問題が発生した時に「震度0=何も無かったこと、にするにはどうすれば良いのか」に終始する幹部達。

たまたま警察が舞台になっていますが、重視すべき外部に目を向けず組織内部の都合で重要事項を決定してしまう状況を笑えなかった読者も多いのではないでしょうか。

良く纏まっていますが、第三の時効、クライマーズ・ハイほどの出来ではありません。

久しぶりの横山秀夫作品と言うことで期待が大き過ぎたのかもしれません。

震度0 (朝日文庫 よ 15-1) (朝日文庫 よ 15-1)
朝日新聞出版 [著] 横山 秀夫
ASIN:4022644354 /文庫/483頁
発売日:2008-04-04
ランキング&評価:---位 3.5
価格:¥ 840 [2008-05-31 Amache]
3 - なにをやっているんだ!
4 - 面白いが他の作品と比べると
3 - “横山秀夫の小説“と考えてしまうと物足りないような気が・・・
5 - 事件は会議室で起こっていた
4 - クオリティはやや落ちるが


posted by 京極恭輔 at 21:11 | 上海 | Comment(1) | TrackBack(0) | BOOK

2008年05月17日

ビート −警視庁強行犯係・樋口顕一−

「隠蔽捜査」の兄弟版という感じですね。
「隠蔽捜査」は主人公「竜崎伸也」が、ある連続殺人事件での警察庁の方針と同時期に家族が起こした問題で苦悩します。

この作品は「島崎洋平警部補」の息子二人の内一人が、ある事件の捜査と関わり、更にもう一人の息子が、その捜査で関係の有った人物が殺される直前に会おうとしていた事実が浮かび上がってきます。

警察小説というより、家族の有り方がテーマの家族小説です。

体育会系で単純且つ思い込みの激しい島崎の苦悩、このシリーズの主人公である「樋口係長」の気配り、優しさが好対照に描かれています。

仕事一筋に邁進してきて、子供との付き合い方が良く分からず家族との関係がギクシャクしている父親は少なくないと思います。

もし、そんな父親がこの作品を読めば、自らを振り返ってみるのではないでしょうか。

心温まる家族小説です。

ビート (新潮文庫 こ 42-4 警視庁強行犯係・樋口顕)
新潮社 [著] 今野 敏
ASIN:410132154X /文庫/545頁
発売日:2008-04
ランキング&評価:---位 4.5
価格:¥ 780 [2008-05-17 Amache]
4 - 今野作品のマイベスト1!
5 - 感動します。


posted by 京極恭輔 at 22:51 | 上海 | Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK

2008年05月02日

死神の精度

短編六編が収録されています。

人間がなんとも不思議な存在であると思っている愛嬌のある「死神」が主人公です。

「死神」を「職業」にしてしまっているのが笑えてしまうのですが、題材が「死」であるにも拘らず暗さが無いのは、この「死神」のキャラクター設定によるものでしょう。

短編集なのですが、六編全体で一つの物語にもなっています。

前半の編で登場した人物が長い年月を経て後半の編に出てきます。
あっ、あの人か、とその後の人生を想像出来てしまうのも面白いですね。

別の作品の登場人物もちょこっと出てきたりします。

死を題材にした作品を読んで爽快な気分になったのは初めてです。
今まで読んだ伊坂作品の中で最も良く出来た作品だと思います。

死神の精度 (文春文庫 (い70-1))
文芸春秋 [著] 伊坂 幸太郎
ASIN:4167745011 /文庫/345頁
発売日:2008-02-08
ランキング&評価:---位 4.5
価格:¥ 550 [2008-05-02 Amache]
5 - 「吹雪に死神」は伊坂作品初の本格ミステリー
4 - 設定がステキな大人のファンタジー
5 - 死ぬってどんなこと
5 - クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!
5 - ある寒空のくうき。


posted by 京極恭輔 at 11:21 | 上海 🌁 | Comment(1) | TrackBack(0) | BOOK
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。