2008年04月20日

重力ピエロ

レイプから生まれた「春」。
出生に特殊な事情を持つ「春」とその家族の物語です。

相変わらずの変人のオンパレードで、重い題材を扱いながら軽妙には仕上がっています。

読み進めていく中で、きっと何か仕掛けがあるだろうと期待していたのですが...。
「春」が抱えている重荷による心の葛藤に耐え続けていたこと、それが殺人に繋がって行くことは何とか理解出来るのですが、殺人の後がどうもしっくりきません。

葛藤の原因を取り除けたにしても、殺人の後にあれほど爽やかになれるものなのだろうか?

伊坂幸太郎の作風上、「臭い」表現は馴染まないのでしょうが、人間は、ここまで感情を隠せるものなのかな?

上手く纏まった作品ではあると思いますが、違和感が残りました。

重力ピエロ (新潮文庫)
新潮社 [著] 伊坂 幸太郎
ASIN:4101250235 /文庫/485頁
発売日:2006-06
ランキング&評価:---位 4.0
価格:¥ 660 [2008-04-20 Amache]
5 - 飛ぶ。
5 - いろいろ
4 - いいと思う
5 - 軽く深く
5 - 文学的作品



posted by 京極恭輔 at 21:53 | 上海 | Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK

2008年04月06日

オーデュボンの祈り

私は「ラッシュライフ」と「アヒルと鴨のコインロッカー」を先に読んでしまいましたが、「オーデュボンの祈り」がデビュー作なんですね。

この作品も不思議な人物のオンパレードです。
しかも、舞台が150年間も鎖国状態にある孤島です。

変人好き、孤島好きの私は、いきなり物語の中に引きずり込まれてしまいました。

言葉をしゃべる「案山子」、行動パターンが決まっていて反対のことしか言わない「園山」、地面に横たわり地球の音を聞く「若葉」、唯一、外の世界と行き来をする「轟」、人の手を握るのが仕事の「百合」....。

一見何の脈絡もないように思える登場人物ですが、後半部分で明らかになります。

しかも、一気にではなく徐々に明らかにしていく為の伏線の張り方が見事です。
とても、これがデビュー作とは思えないほど完成度の高い作品です。

伊坂作品の独特の世界を是非一度体感してみて下さい。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)
新潮社 [著] 伊坂 幸太郎
ASIN:4101250219 /文庫/464頁
発売日:2003-11
ランキング&評価:---位 4.0
価格:¥ 660 [2008-04-06 Amache]
5 - まとまっていく
1 - うーん。。
3 - なんのために
1 - う〜ん。。。
3 - 結末へ向けてのまとめ方が素晴らしい!


posted by 京極恭輔 at 13:46 | 上海 🌁 | Comment(1) | TrackBack(0) | BOOK
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